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June 09, 2012

2012 世界禁煙デー 山形フォーラム

世界禁煙デーフォーラムin山形

https://sites.google.com/site/zkst12/

に参加されたミッキー先生が、

フォーラムの様子をまとめてくださいました。


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2012 世界禁煙デー 山形フォーラム

第12回 全国禁煙推進研究会

基調講演

野田博之氏 (厚生労働省 健康局 がん対策・健康増進課 たばこ対策専門官)

・ 喫煙と高血圧が日本の非感染性疾患の主要リスクファクターであること。

・ 世界と日本の喫煙、受動喫煙による死亡者数

(世界喫煙540万人、日本喫煙12-13万人、世界受動喫煙60万人、日本受動喫煙6800人)

・ 肺がんの死亡率とのグラフ…20~30年のタイムラグで相関することを、

禁煙してから肺がんのリスクが低下しはじめるまでには10年必要とのこと

(4.5倍(禁煙直後)→3.0倍(禁煙3-9年)→1.8倍(禁煙10-19年)→1.0倍(20年以上))

と関連付けてわかりやすく説明。

・ アルツハイマーとの関係 : 2000年のコホート研究で喫煙により1.1倍リスクあること

・ 未成年(高校生)の喫煙率 

1996年:男子30.7%、女子12.6%→2010年:男子7.1%、女子3.5%

・ 平成22年に受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会の健康局長通知が出たこと

(天貝先生がよく行政に発言しているポイント)

・ 健康日本21の改訂について、成人の喫煙率の数値目標の決め方

(喫煙者の37.6%が禁煙希望ということを踏まえて、現在の19.5%からこれらを引いて計算している)

・ 2022年までに12%を目標(これはアメリカ12%、イギリス10%と比べても世界的に妥当な目標)

・ 妊娠中の喫煙と小児がんとの因果関係については、現在のところは、科学的な根拠が不十分である。

・ 経済損失について、医療費140億円

(ニコチン依存管理料10億円、禁煙補助剤130億円)に対し、経済損失は4兆3264億円!

・ 喫煙者の63.6%は人間ドックを受診している。

この時の短期介入も効果あり。また、クイットラインという無料禁煙電話相談も効果あり。

・ Smart Walk、Smart Eat、Smart BreathをSmart life projectとして推進

(感想)

現在の厚労省のデータを解説からこれからの方向性の話をされた。

経済損失の桁の違いはわかっていたが、禁煙補助剤と管理料にこんなに差があったとは…

禁煙補助剤メーカー、もっと積極的にやっていいんじゃない?と思った。

喫煙と肺がんのグラフのタイムラグの説明にリスク低下のグラフを用いて説明されていたので、

聞く側としても理解しやすかった。


教育講演

中村正和氏 (大阪がん循環器病予防センター 健康生活推進部長)

・ 年間死亡数、毎日350人、自分の講演時間60分間に15人がなくなっている。

・ 喫煙者が禁煙することで食習慣や運動習慣などの他の生活習慣も変わる可能性があり、

リスクの大きさを含め、喫煙者には「禁煙ファースト」を提唱したい。

・ MPOWER(Monitor:タバコ使用における政策、モニタリング、Protect:受動喫煙からの保護、

Offer:禁煙支援・治療、Warn:たばこの警告表示、Enforce:広告等の禁止、 Raise:価格政策 )

の項目において、日本は世界と比べても政策が遅れている。

・ 以前、SMAP×SMAPの企画でキムタクの禁煙企画が持ち上がったが、JTからの圧力を恐れて中止。

・ この7年間で喫煙率が減少した理由として、3回にわたる計160円の値上げ、

健康増進法による受動喫煙防止、禁煙治療の保険適用などがあげられる。

・ たばこ事業法の改正をしなければ、1000円という大幅な値上げが出来ない

(法律で財源の確保のため、たばこ事業の保護する必要があるため)。

・ 現在検討されている労働安全衛生法の改正において、

職場の受動喫煙防止の事業者の義務が努力義務になってしまう可能性がある。

・ 神奈川県のほか、都道府県または市町村での受動喫煙防止条例や対策の好事例の説明。

・ ファミレスでのデータ分析では、禁煙によって売上が落ちたというデータはない。

・ 禁煙治療について、禁煙を試みた人の7%程度しか禁煙外来には通っていない。

8割以上が自力で挑戦しており、成功率が低い。

・ 医師が日常診療で禁煙のAdviceをする割合はアメリはで70%、日本は30%程度。

・ 今後、保健医療従事者による

禁煙の声掛け→無料の電話相談→禁煙外来

という流れをつくることが必要。

(感想)

一部、基調講演と同じような話もあったが、

タバコ産業が間接的に干渉をしている実例としてキムタクの裏話などは、興味深いと思った。

日本では予防医療的な考え方がまだまだ足りないと思った。

禁煙外来ができなくても、医療者は病気と関わりの深い分野だけに、

せめて日常業務の中で禁煙指導は行えるようになればと思う。

(講演内容につきましては、演者の先生の許可を得て掲載しています。)

from ミッキー先生

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