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September 14, 2011

【4】動機付け面接のトレナー研修@シェフィールド

Day3,
Session10-12

まずはじめに、MIのスキルを維持していく方法についてのディスカッションをしました。その中では、当然、継続的してコーチングを定期的に行っていく、という話も出ました。それから、初日にやったTNTに何を求めるか、について書いたシートを取り出すように指示されて、次に、二人ずつペアとなり、お互いにコーチングをすることとなりました。まず、おのおののMIに関するゴールを決め、6-8週間後に再度コンタクトを取り合うことを前提に、コーチングをしあう、というものです。

それで、B5班では、くじを引いて、ペアを決めることになりました。細かいことですが、そんなことにも、まず、誰かが、ネームバッチを机に出して、混ぜてわからないようにして、またとったらどうか、と意見を出し、いいねえ、となってやってみたら、自分のネームバッチを引く人とか、ペアが全くできない人とか、が発生し、などなど、ごちゃごちゃごちゃごちゃやりながら、基本くじで決まりました。

さて、私の相手は、Heather さんでした。背の高いやややせた威圧感のある女性の心理士です。正直、ちょっとおっかないな、と思いながらも、昨日までの発言で、とてもいいreflect とかaffirming をしていたので、話すのが楽しみでもありました。

私がクライアントの立場から始めました。私のテーマは、いかにして、日本でMIを広げるか、ということだったので、それについて、ああでもない、こうでもない、と話し合い、(あんまりHeatherはコーチングをしているという感じではなく、普通に話を聞いたり意見している感じだった)、昨日のWolfの話も参考にしながら、二つのゴールを設定しました。1.gather materials for doctors. 2.research school nurse’ preference,
1つは、医師向けのエビデンスなどの満載したpaper and pencil の教材。もう1つは養護教諭が、医師タイプ(教材・エビデンス好き)なのか、ソーシャルワーカータイプ(ロールプレイ好き)なのかわからないので、彼女たちの好みをできれば、人気のあるセミナーなども参考に調べる、というものです。

 次に、私がコーチ役をしてHeatherの話を聞きました。そうしたら、彼女の目標も、自分の病院の中でMIを広げるということでした。彼女は部下のたくさんいる(10人以上?)管理職の立場の人で、MIを取り入れたいのだがなかなか進まないというのが悩みのようで、あるとき、講演を頼まれて、よその病院にいったところ、200人くらいいる大きな会場にぎっしりというところに案内され、ところが、参加者のモチベーションも低く、話の途中で、数十人が、椅子をもって会場外に出て行ってしまった。という体験をしていました。そして、いろいろ不満を言われていたようですが、私が印象に残ったことばは、bossy という表現で、ボスみたい、威張ってる、という意味と思います。これは、かなりショックだったろうと思うのですが、事実、私が、It must have been a shock. と返したら、さらに話に熱が入り、会場が狭かったこと、主催者のMIに対する理解がないことなどいろいろ話が出てきました。それで、意外だったのは、参加者が反発したのは、Heather に対してだけではなく、そういうもろもろのこともあって、Heather への反発はその一部じゃないかなあ、といったら、「そうそう、それはもちろんそうに決まってるのよ」と意外と、元気だったということです。

 さて、Heather の作戦について考える途中、いろんな横道にもそれ、彼女はTNTに、MIを病院に伝達するためという理由で予算を取ってイギリスまでアメリカから来ていること(ことあとオバマの話を少々)、そうしたら、来年、彼女のすんでいるところから車で4時間のところで同様の研修が予定されていることにあとから気づいたこと。そこで、私が、思わず、顔を寄せて、Secret! というと、彼女もしっかりそのことは病院には秘密にしているようで、大爆笑になりました。などなど、いろいろやり取りをして、ポイントとしては、1.set up practice group, 2.set up seminars がgoal その際に、CME(continuing medication education) 専門職のポイント制のようなものか?の講座としても受けられるようにする、などがトライする目標として決まりました。私は、アディクションの部門以外の参加者を募る、という話になったときに、そこから、母数が増えれば、MIに関心のある人も増えるので、助けてくれる人も出てくるのでは、というような気づきも起こしたかったのですが、(あんまり身近にサポート役がいる様子がなかったので)、そちらには興味が向かず、CMEのほうの話に進んでいきました。

 さて、このコーチングのセッションのまとめの質疑応答をB全体でしているときに、Heather は私のことを取り上げて、何か、助けになった、というようなことを発言してくれたのですが、残念ながら、それは、よく聞き取れずに、わからなくなってしまいました。

このセッションは全体で2コマ2時間だったので、お互いのコーチングを少なくとも30-40分くらいはしたと思うのですが(そんなにしたかなあ20-30分くらいの気がする)、それまでの中で一番消耗しましたが、二人で大笑いしたりして、大変楽しい体験ともなりました。あと彼女の言葉で印象的だったのは、なぜ日本でMIが普及していないのか、ということころで、私が、やはり、言葉の問題だろうと。もちろんこの時代なのでたくさんの本が訳されているが、逆に、本が訳されていることで、日本人はそれがすべてだと勘違いしてしまう。ところが、実際には、CBTの本はものすごくたくさんあるのに、MIの本は3冊しか訳されていない。それで、CBTに埋もれてしまっているんだよ、と説明したところ、”CBT rule the world” と返事してきたことです。アメリカでもCBTに支配されていると感じるのかなと思いました。Heather以外にも、Wolf や Jojiもそうですが、CBTを習ったけど人間関係の部分が物足りなくてMIにきた、という人に何人かあったので、現在は、日本もCBTに支配されている状況になりつつあるので、そこから、MIに移動する人も出てくるということも起こるかもと思いました。


そのあと、Bill and Steve Visit の前までの空き時間に、何を扱うかの相談をして、Maintenance individual skills, how to role play, getting start with business, how to say “this is no MI”などのアイデアが出ました。
その後は、例によって、三人のトレーナーたちがファシリテーターをしながらディスカッションをしたのですが、ここではあまり記憶に残ることはなく、(そもそも、会話についていけなかった&忘れかかっている:早くも一週間たってしまった)ノートの断片的なメモをてがかりに再現してみます。

 ビジネスプランについては、まず、トレーナーが、MIでビジネスをするのに必要なものは?と会場に投げかけると、まず、Networking という声が上がり、次に、実際に起業しているという人から、Having a business plan との意見が続きました。そして、そのあとは、ネットワークの意味とか、プランの意味とか、の議論に入っていきました。はじめは主に、MIをするコーチとして個人としてクライアントをとりビジネスにするというようなイメージで、議論が始まり、私は、トレーナーたちはこの微妙なテーマに、あくまでまじめに丁寧に議論を進めていくのだなあ、と感心していました。実際には例えば、グループでMIを提供したほうが安くなるが、その場合のポイントは、What problem is target という姿勢で、グループでのMIは、ほとんどのMINTメンバーは、One to one MIをグループでやることで、グループ間でのインターラクションはさせない、というような議論が記憶に残っています。そのうち、れいの起業をしている人から、彼は、体も大きく、声も大きく、いかにもという感じがしましたが、彼が、自分の属している、何とかという町の?ネットワークを紹介し、そこに入ればいいんだよ!そこで、実際に自分はいくつものすばらしい人と出会い、プランを実現することができていっているよ、そこは、各分野のトップ1%の人しか属することのできない、本当にすばらしいネットワークで、云々と、話し始め、ちょっと方向性が違う?という感じになったときに、で、君は、MIでトップ1%に入っている、てことかい?という突込みが出て、彼は、勢いがそがれてしまいました。もちろん、そのコミュニティの中では、トップ1%なんだよ、というような反論を続けたりしていましたが。しかし、結局その直後に、いったいいつまで、このテーマを扱うんだ、単なるコミュニケーションの話じゃないか、MIとどういう関係があるんだ、という意見がニューヨークの心理士?から出て、(彼は、TNTの一番初めから、時々率直かつ辛らつな意見をトレーナーたちにぶつけていました)次のテーマに移ることになりました。

 ただ、ビジネスの話の中では、MIの特徴として、human relation の話が常に繰り返され、People buy MI, I give MI. というような代物ではないんだ、とか、Joel は オレはMIを売っているんじゃなくて、自分を売っているんだ、MIのマニュアルや、資料はネット上をはじめ、みんな無料でオープンに手に入るし、What selling it’ me.
2日間の研修をすれば、こんなふうになります、こんな結果が得られます、というふうには、行かないんだ、IT doesn’t happen that way. というように、MIを「商品」として扱うことの誤りを指摘していたので、このディスカッションも、MI的に、いろいろ参加者から意見を引き出しつつ、自分で気づかせる方向へ持っていく、というスタンスなのかなと感じました。

 あと、スキルのメンテナンスについては、テレビドラマのDVDを使って、ストップとプレイを繰り返して、Reflective listening の練習をする、というのをIgor が、私はまじめに言ってるんですよ、とすすめていたことが印象に残っています。

 How to say ”This is not MI” については、Wolfが、そもそも、一番初めの段階で、MIに関して、こう説明することが肝心と話しました。It’s a complex method. It’s quite natural to make failures. If you are not interested in language it is not for you. If you agree I coach you. つまり、はじめからMIについて、難しくてすぐにはできるようにならないスキルだけれども、とはっきりさせてから、コーチをスタートすることが肝心ということです。そして、最初のワークショップの後、もどったら、1つだけ、これをやってみてください。例えばreflection と課題を出して、次のときにそれを聞く、そして進歩があるか見ていく、というやり方がよいということでした。知っているということと、やれるということは別ですから。


Session 12
Bill and Steve Visit
そして、スケジュールの変更を伴いつつ、昼休みの前の時間に、ミラー先生とロルニック先生が現れて、ミニレクチャーが行われました。その直前の休憩のときに、やややせた背の高めの見慣れない人がいるなと、気づいたのですが、ごく自然に振舞われていて、やわらかい雰囲気で周囲に溶け込んでいたので、ミラー先生その人だとは全く気づきませんでした。ロルニック先生のほうは、目つきのするどいがっちりした体格の中肉中背の男性で、何か意志のかたまり、という感じを受けました。

 さて、ミラー先生はトレナーの方々から短く紹介をうけると、早速資料のプリントを自分で配り始めました。ということで、私は例によって前のほうに座っていたので、ミラー先生から直接プリントを受け取りました!
プリントはA4一枚のシンプルなもので、レクチャーはそのなかから、さらにポイントを絞って行われました。
なにぶん新しい概念の説明なので、私の理解が大丈夫かは微妙ですが、印象的な説明だと感じたところを中心に振り返って見ます。

MI spirit の中の Compassion について。
 セールスマンがものを売ることを思い浮かべて欲しい。必要なときにそばにいることが必要ですよね。そしてその一方で、MIはよくレスリングではなくダンスにたとえられるが、なぜあなたはダンスをしているかが大切なのです。決断についての中立性が大切となります。たとえ偶然にであってもそれが損なわれないように。(これは後から、ロルニック先生が、MIをspiritを伴わないツールとして扱う本やビジネスがあることを指摘し、MIは本来そういうものではないし、そういうことがおきたことを踏まえてcompassion を強調していると補っていました。)

 MIの定義について、三つのレベルの定義をしていますが、読んでいただくと、behavior という言葉が取り除かれていることに気づくでしょう。それは、internal processが重要だからです。外見からは、なんら変化がなかったとしても、無関心期、つまりアンビバレンスもない状態だった人が、内面の変化により、関心期に移ったとしたら、これはchange のステップを進んだことになります。そして、MIはこのステップをも対象として含むのです。それで、behavior という言葉を取り去りました。Change is broader than behavior change. ということです。

四つのプロセスという概念を導入しました。これは従来の四つのprinciples と 二つのphases を置き換えるもので、Engaging, Focusing, Evoking and Planning です。この四つは、順に積み重なるようになって変化へと向かっていきます。特にEngagingは人間関係の基礎となる部分です。そして特定の領域にfocus し、Evoking へとすすむ。これは、従来の developing discrepancy より広い意味です。というのは、discrepancy がない場合(無関心期)それを引き起こすことも、MIには含まれるからです。なので、Evoking というのは、evoking ambivalence と develop discrepancy の両者を含むこととなります。それに対応して、resistance は、ambivalence の中で生まれるsustain talk と、relationship のなかでのdiscord の二つに分けて考えることとなります。Discord というのは、ambivalence が解消した後にも、まだ燃え残ってくすぶっている火のようなもので、relationship のなかからうまれ、基本的には You don’t know me. ということで、お互いに、盲人がelephantをどう表現するか、のたとえのようなものです。

そのあと、質問の時間となりました。最初に出た質問は、スウェーデンからきたスキンヘッドの男性の、compassion について例をあげて説明してください、というものでした。それに対し、
Empathy is skill. Learnable. Sympathy is not required. Compassion is unintention like the Dalai Lama, Lui Airmstrong(?) という返事でした。さらに、Compassion はどうやって学ぶのか?という質問が続いて、ミラー先生は穏やかに答えを続けたのですが、自分にはよくわかりませんでした。会場もなんとなくそんな雰囲気だったように感じられたのですが、そのとき、自分のグループのLucia が “In Buddhist book!” とグループの皆にささやきました。私はそうだったんだ、と納得しつつも驚いて、思わず聞き取り間違いでないか確認したくて、振り向いて、”You said Buddhist book?” と尋ねたら、Yes! ということだったので、きっと、ミラー先生の周囲では、そういうやり取りが既にあったのではと思いました。その後もいろいろやり取りがありましたが、自分はこの件で非常に感銘を受けたので(一応私も、少林寺拳法の修行をするBuddhist なので)あまり印象に残っていません。

この日のランチは、イギリスから来た、MITYのスコアをつける仕事をしている女性と加濃先生と食べました。彼女は確か大学院?で勉強しながら、特殊なスキルのトレーニングを受けた後、アルバイトでスコアをつける仕事をしており、20分のオーディオテープを一日に4-5本くらいつけているということでした。イギリスと、日本の医療制度の違いなどの話題が出ました。加濃先生は、CBTが日本で保険診療になったことを紹介しました。


Session 13
Design your own exercise

そのあと、いよいよ、新しい演習を考える、という演習に入りました。
実はこの演習に備えて、加濃先生は日本から、私も、台風で欠航となった晩に羽田のそばでとまったホテルがコンピューターが使えたので、そこで、もともと考えてあったアイデア(Why is the kid crying? )を文章にしてUSBに入れて持ってきていました。そして、それをシェフィールドのホテルのコンピューターとプリンターを借りて、人数分12枚印刷して用意してありました。ただ、日の目をみるかなあ・・・という気分でした。
 さて、トレーナーたちは、すべてのグループに、それぞれの課題を用意していました。私のところは、
How to initiate change talk? というテーマでした。バックアップとして、How to complex reflection? というのもありました。

 Martha はたちどころに、complex reflection を捨て去りました。皆同調しました。私の考えていたWhy is the kid crying? はcomplex reflection の演習といえなくもないのですがかなり無理があるので、この案を提案することはあきらめました。
 さて、How to initiate change talk? とテーマは決まり、いよいよです。まず、Marthaが、Change talk の定義をマニュアルで確認し、ついでにチェンジトークを導く10の戦略も確認しました。そして、どうするか、となったのですが、Heatherが、自分の臨床体験として、紙に分かれ道の図を書いたものを作って、変化を起こすか起こさないかで、それぞれどうなるか、詳しく聞いていると、チェンジトークが出てくるという案を出しました。それで、この案をいろいろ議論したのですが、クライアントのためのものではなく、カウンセラーを育てるための演習だ、ということを何度も確認しつつ、つまり、この分かれ道シートの使い方の演習にすればよいのだ、という話になり、ちょっと道が開けたようにもなりましたが、途中から香港のPaulが、カードゲームを使った演習はどうか、と提案をして、その内容は自分にはほとんど理解できませんでした。たぶん、日本で言う遊戯王ゲームみたいなものを考えているのかなとは想像しましたが。グループの人たちもいったんそちらへ流れかけたのですが、また、よくわからなくなって、結局、分かれ道ゲームに戻ってきました。ここまでで、かなり時間も過ぎていたので、とにかく休憩をすることになりました。休憩中Ivo とたまたま話したのですが、お互いに、分かれ道ゲームは複雑でだよな、ということになり、議論がどうなるか見てみよう、ということになりました。

 続きはまた分かれ道ゲームを軸に始まったのですが、それまでほとんど発言していなかったAlexが、非常に控えめに、魚釣りゲームはどうか、と言い出しました。それは非常に単純なゲームで、トレーニーは釣り人になって、糸をたれ、つまり、質問を投げ、クライアント役がチェンジトークを答えたら魚が取れた!というものです。それで、皆こんどはそれがいいということになって、具体的につめようとして、例えば10のチェンジトークを引き出す戦略をカードに書いておいて、それを使ってとか、いろいろ案が出たのですが、まずはやってみようということになり、はじめてみたら、立て続けに質問が出ることになってしまい、あまりにも不自然だ、とまた困ってしまいました。それで、私は質問の後にreflect をはさむようにすれば、不自然じゃなくなるよ、と提案しました。例えば、1つの質問の後に二つのreflectをするようにしては?ということです。かなり熱くなっている人もいて、話すのにまごついていたら、Alexが、TAK(私のこと)の話も聞こうよ、とサポートしてくれ助かりました。私の意見に対しては、Luciaが、それはいい、なぜなら、質問と聞き返しは、1:2になるのがいいという基準があるんだよ、と私に教えてくれました。もちろん知っててそういっているのですが(^^)。しかし、このアイデアも面倒くさいという感じで、なんとなく、流れてしまい、その後もごちゃごちゃ議論していましたが、結局、分かれ道と、魚釣りで選挙しよう、ということになりました。それで、選挙用紙を用意する人も出ましたが、まあ挙手でいいじゃん、ということになり、挙手をしたら、(私は魚釣り) 魚釣りのほうがやや優勢で魚釣りになりました。ところが、そうこうしているうちに(皆で釣竿を作って、糸をたらそう、そして魚役がつかんで、放射状の網ができたら完成とか、チェンジトークを引き出す戦略の表を使ったものから消していくとか、魚がつれたら、首から提げるバッチをあげるとか、いろいろアイデアが出ましたが)話し合いの時間がどんどんなくなってきて、本当に収拾がつかなくなってきました。そしたら、Dolorsが、自分の黄色いノートの紙を魚の形にちぎって10くらいまとめて作り、これを魚ということにして、つれたら渡すのはどうか、となり、皆それが気に入って、そうすることになりました。それで、魚役(クライアント役)を決めることになりました。誰か?というこではじめはLuciaがやりたいと言い出しましたが、変化したいことが、転職、ということで、軽くリハーサルをしてみると、このテーマだと何がチェンジトークなのかとかわかりにくくなると判明し、Heatherが、もっと運動をする、というテーマで魚をすることになりました。議論は、Heather, Linda, Martha, Luciaがもっとも活発に発言して、他の人もけっこうタイミングよくいろいろなことを言いました。議論が早くなってくると全くついていけない時間帯も結構あって残念でした。

さて、発表が始まりました。最初のグループの発表のことは、ノートもなく覚えもなく、忘れてしまいました。二つ目のグループは、クライアントの変化に向けてのreadiness を推測するというゲームを考えました。三人が三つの並んだ椅子に座り、相対して四人のトレーニーが並び、いろいろな質問を投げかけて、その結果から、三人のうち、誰が、最も準備性があり、中くらいは誰で、最も少ないのは誰か、というのを当てるというものです。

 次のグループは、一般の中から6人ボランティアを募って、その人たちを部屋の外へ連れて行き、中での会話が聞こえないようにした上で、待ち受けるほうは二つのグループに分かれて、そこに出た6人を三人三人のふたグループにして、部屋の中に招き入れました。入ってきたとき、その人たちは、目隠しをされて入ってきて、1つのグループは、肩をつかまれて、こっちへ来いと何も聞かされずに、自分の椅子まで(扉から一番遠い席の人たちがボランティアに選ばれていました)連行されました。もう1つの三人組は、自分の席まで戻りましょうね、案内しますからね、と声をかけながら、手をとってやさしく案内をされました。

 その様子を見て、非常にダイナミックで、とくに乱暴に扱われるほうはややショッキングなくらい印象的でした。引っ張られながら座らされたアフリカ系のアメリカ人が、ここは私の椅子じゃないし、といったので(隣の席だった)大笑いになりました。感想を聞くところでは、目隠しして、手を引っ張られただけで、もう本能的に、思わず手を引いて、defensiveになった、という発言があって、directing なスタイルだと、思わずいやだ、といいたくなるのも同じなのかも、と印象に残りました。

 さて、その次が、私たちの番でした。ファシリテーター役は、Alexが勤めることとなりました。私はいささか、グループとしては準備不足で心配だったのですが、Alexはつり、というのは、魚をともめて、あっちこっちするよね、それがちょうどねMIのやり方と一緒なんだよ、失敗はふつう、違うことをやる、つまり釣り場をかえてみたりする、ということだよね、みたいなイントロをしていました。

 さて、Pat がHeatherにそれで、あなたの迷っていることは?とたずねて、もっと運動したいという話しが話されて、つりが始まりました。自分たちは一列になって横に並び釣り人役です。Heather は背の高い女性で、その人がズイッと面と向かってやってくるとかなりの迫力があります。誰のところに来るかは彼女の自由です。最初の人が「なぜ運動したいの?」と聞いてチェンジトークが出てきて、魚をもらって、その次の人は質問は忘れてしまったけれど、つれなくて、という感じで、私のところにも来て、自分はどのくらい大事なの?と聞いたのですが、Heather はじっと考えて、大事は大事だけど、という感じで、魚はもらえませんでした。という感じで、どんどんすすんで、もらえたりもらえなかったりで、もらえても笑い、もらえなくても、笑いが出る、魚がくるかも、という緊張感もあるけれどよし今度来たらつってやるぞ、というやる気もおきる、なかなかよい演習だ、とやってみて気づきました。魚がどこに来るかわからないので、ずっとやり取りに集中してしまうからです。

 さて、まあ、この辺でという合図は、Alexがすることになっていたのですが、かれは結構粘って、そろそろというときに後二人、という指示で、終了となりました。皆満足でした。まとめのLinda の説明も最高でした。魚は釣れても釣れなくても、いろいろやってみることが大事ですよね、というまとめです。

 Ralf は短いコメントの後、Heatherに「あなた魚役を楽しんでたでしょ」と突っ込みました。確かに、Heatherは、誰にしようかな~、と楽しんでたのはまちがいなく、参加者はどきどきはらはらし、それを見ていた観客もそれが面白かったのはまちがいありません。そして、Ralfは、一番よくできた演習について、”The last is the best!”
と発表し、自分たちは大喜びしました。特に、Martha とLinda、もちろん、Alexもうれしかったと思います。

 この段階でほとんど時間がなくなっていて、終了証を1人ずつ渡してくれたのですが、その途中で、うちのグループでは、SueとDolor は先にもらって退席しました。時間のある人はそのまま残って、写真を撮ったりLinda がパソコンでFacebook のグループをつくるので、メールのアドレスを教えたりしていました。

その後いったん宿に戻って、7:30から、お祝いのパーティーがありました。そこで印象が残っているのは、Joji Suzuki がどうしてMIに興味をもったのか、ということ、はじめは授業であったのに、こんなのサイコセラピーじゃないとおもって、やっていなかったが、精神科にすすんで四年後、患者との関係がいまいちうまくいかないなあ、とかんじて、MIのことを思い出して、あらためて習い始めた、ということでした。彼は、私と加濃先生に、医学生に教える機会はあるか?と尋ね、なぜなら、医者になってからだと、もうおそい、医学生のうちなら興味を持ってくれる、と話していたので、かれは、四年後だったけれど、not too late だったのだな、といっておきました。指導教授の先生もこられていたので、その先生は四年間待ったわけですね。

 Pat は奥さんときていました。Alex はまだ二日前に歩き始めたばかりの娘さんときていました。どんどん歩いていこうとするのをAlexが両手をとって、ひっぱつていて、とてもかわいかった。Paul も伝い歩きの子どもがあるようで、スマートフォンをしょっちゅう見ていて、写真を見せてくれました。そっそくりでした。寝返りしたときには感動したよね、と話しました。原井先生も息子さんを連れて登場しました。いきなり、スーツケースがしまらなくなっていて、会場でスーツケースと格闘していました。息子さんと前日大英博物館を見に行ったそうです。私はPaulを原井先生に紹介したのですが、そしたらすかさず、息子さんに中国をならっているので、しゃべってみて、といって、かれは中国語で挨拶しました。ずごいです。原井先生は、ミラー先生に、これで日本人トレーナーも増えてきたし、2013年とか、日本でTNTをやるとか、次の段階へ行きたい、と話しておられました。小畔先生はやどでつかれて寝ていました。でもWSで、日本女性のMITIeeがいたよね、と何度もたずねられて、Miyakoと答えると、どの人もうれしそうにしました。

 私と加濃先生は宿に帰ると、いろいろな感想を話しました。加濃先生は、三日間くらいの食事とかもしっかり出してある程度の料金も取るちゃんとした研修をやりたいなあ、という気持ちを持ったようで、私も同感で、たとえば、三浦半島にある湘南国際村センターなんてどうかなあ、と二人で、遅くまで、インターネットを見たりしていました。

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【3】動機付け面接のトレナー研修@シェフィールド

Day2
Session 5

9:00-9:45 Paul とWSのファシリテーターの打ち合わせ、リハーサルをしました。私たちの担当は、Change Talk Jeopardy でした。マニュアルを見ながらはじめたのですが、Paul は自信満々という感じでしたが、私はすぐに彼が本当にマニュアルを読んで来たのか、少なくとも丁寧に読んだのかきわめて怪しいと気づきました。実際103-104の2頁あるうち、裏側の104ページの存在には、ああ、こっちにもまだあったのか、という反応を示しました。
 さて、この演習は、実はかなり説明するのがややこしい演習なのでした。

Paulは役割分担を決めようよ、というのですが、そのためにもまずはマニュアルに沿って手順を確認していこうと促して、打ち合わせを始めました。そこで早速、チェンジトークの例を考えなくちゃ、というと、おお、そうだった、という感じで、大丈夫かなと出だしから感じることになりました。

マニュアルより
Abstract: トレーニーはチェンジトークを引き出すオープンクエスチョンを尋ねる練習をし、その二つの関係を学ぶ
Overview: 動きを伴う演習で、トレーニーは反応してチェンジトークを引き出す質問をする練習をする。TVゲームのJeopardyと同じようにトレーニーは答えを与えられ、そこからその答えを引き出すような質問を思いつかないといけない。
Guidelines: まず、すべての参加者に、おのおのの職場でクライアントから聞かれる典型的なチェンジトークをいくつか書き出してもらう。
それから演習の説明をする。1人がチェンジトークを話すと、カウンセラーの仕事はそのチェンジトークが話される直前になされたであろうオープンクエスチョンを想像して話す。すなわち、カウンセラーはどんなオープンクエスチョンをしたので、このチェンジトークがでてきたのでしようか?ということです。
 これをデモンストレーションする。トレーニーに5つ位のチェンジトークを話してもらい、それに一つずつ、その前にあったであろうオープンクエスチョンを話して、それにトレーニーにそのチェンジトークで答えてもらう。

 例 トレーニー 私は本当に保護監察官から解放されたいんです。
   あなた   あなたはカウンセリングのためにここに来ることで、どんなことがおきたらよいと思いますか?
   トレーニー 私は本当に保護監察官から解放されたいんです。

それで、英語に自信のない自分としては、あらかじめ、デモンストレーション用のチェンジトークとその答えを考えることを促して、例えば、といって、「以前に禁煙したときは、三週間続いたんです」と投げかけてみると、うーん・・・と考えているので、「子どもや妻がタバコを嫌がるんです」とやってみると、やはり、うーん・・・と笑いながら考えているので、今度は「禁煙するとお金が節約できる」というと、「禁煙するとどんなよいことがありますか?」という質問が来たので、「禁煙するとお金が節約できる」と答えて、めでたくデモンストレーション完了となりました。お互いにこれをメモして、本番で使うことにしました。

マニュアルに戻ります
トレーニーを同じ長さの二つの一列に並ばせ、その最前列でお互いの列の相手と向き合えるようにします。一つの列がチェンジトークを出し、もう一つのほうがそれに対応したオープンクエスチョンをします。まずチェンジトークを話させ、それを導くようなオープンクエスチョンを考えさせて話させて、それに元のスピカーが元のチェンジトークで答えます。もし、トレーニーがオープンクエスチョンを考えるのに詰まるようなら、ファシリテーターとしてサポートします。それから、これらの二人のトレーニーは互いにもう一方のほうの列の最後に並びます。そして新しく先頭に来た二人が同じやり取りをします。

ここがこの演習の要の部分になるわけですが、結構複雑なので、どうしたものか、図に書いて説明する?でも面倒だなあ、と前の晩考えていて、私は、二列を平行に並ばせるのではなく(そうすると、並んだもの同士がやり取りを始めてしまいそうなので)、二列を一直線に並ばせて、真ん中で先頭が出会うようにしたらどうか、と考えていました。そこで、そのアイデアの説明を始めたところ、(Paulは案の定並んだもの同士がやり取りすると勘違いしていました)Paul からいすを使ってはどうか、というすごくいいアイデアが飛び出しました。これはすごくいいアイデアです。そこで、いすを並び替えて二つの列を作り、その先端で会うようにする。ということで、どう並べるか、考えて、はじめはくの字型を考えましたが、先端のやり取りが見えにくいので、半円形semicircleに並ぶことに決まりました。このアイデアには、二人ともとてもうれしくて、満足・納得・これならできる、うまくいくという感じになりました。

 あとは、マニュアルの残りのNotes と Variations について確認しました。先頭の二人だけが話して、残りは静かにしていることなど再確認しました。
 それから、具体的に役割を決めて、はじめのイントロダクションはPaulがやって(英語も私よりずっと上手だしやりたそうでした)デモンストレーションの部分から二人でそれぞれの列(私はクライアントの列、Paulはトレーナーの列)をファシリテートすることに決まりました。

さて、9:45になり、はじめることになりました。Bグループ全体で、説明と確認があり、サブグループごとにそれぞれ別の場所に移動を始めることとなりました。私のB5グループは、コンサートホールの舞台の上と判明しました。
 トップバッターは、

Michaela / Patrick p67 observer Heather / Linda

で、課題は、negative practice を二人ペアで行い、カウンセラーはchange に関する
1. importance
2. benefit
3, negative side
4. how to make change について、 クライアントを説得する、というものです。

始める前にオブザーバーは誰だ?と、トレナーのRalf が聞くので、ひとりのLinda 自分だと分かっていましたが、もうひとりのHeather はわかっていなくて、それを指摘されて、何かが起きていることは分かってたんだけどI know something going on、とぼやいていました。自分はオブザーバーのことは理解していましたが、ネイティブのHeather が理解していなかったのはちょっと不思議な気もしましたし、ほっとした部分もありました。昨日の指示はかなり複雑な指示でしたので。

始まって、驚いたのは、Pat が、演習のイントロをするときに、まるで舞台で演劇が始まるかのような語りかけからはじめたことです。あなたが子どものころを思い出してください。あなたがちょっくら出かけようとすると、親が、行くなという、もしくは、どこに行くんだ?と聞く。どこでもいいじゃないか、と答えると、どこでも言い分けないじゃないかとくる。そしてあなたは・・・みたいな寸劇を1人でやって、で実際、私は17のときに、半分家出みたいにしてしまった。というはなしもしてくれて、という感じです。なかなかの役者ぶりです(^^)。そして、カウンセラーとクライアントだと、クライアントは、どうしても弱者と感じてしまうので、その弱さを感じるために、今までに、話していない人と、ペアを組んでください。と語りかけるのでした。

 ということで、私は、ブルガリアからきた、Iva とペアになりました。
はじめは、私がクライアント役をして、運動をしたいけれど・・・という話をしました。話のごくはじめに、What are you? と職業を聞かれたので少しびっくりしましたが、医者と答えて、独立してやっていて、企業のクリニックや大学などで教えたりしていると答えると、あなたは知的な職業についているのだから、運動の大切さは分かっているはずですよね、だったらやりなさい。時間が自由になるのなら、やりなさい。と穏やかながら、なかなかの説得ぶりで、negative practice の気分を堪能?することができました。
 次に、役割を交代して、話をきいてみたところ、タバコを本当はやめたいということでした。型どおり、お説教をしておいたつもりでしたが、彼は結構いやな気分になったようでした。
 
その次は、
Heather / Linda p76 observer Alex / Lucia
で、テーマは、Thinking reflectively でした。

これは、私も大好きな演習です。
今度はPat とペアになりました。これは、One thing that I like about myself is that I….に続けて、自分を表現し(ただし抽象的な内容、背が高いとかはだめ)、それをリスナーが、
Do you mean that you….? の文章で尋ねる。それに対してスピーカーはyes またはno で答える。というものです。トーマスゴードンのモデルを体験するこの演習により、reflective listening をする準備をしていきます。

Heather と Linda は、ビー紙に、トーマスゴードンのモデルを書いて、説明し、演習が始まりました。

今回はまずPat が、One thing that I like about myself is that I continue to improve myself. というようなことをいいました。そこで、いろいろためして、 Do you mean that you like to keep growing. というようなあたりで、Yes, 納得、となりました。
次に、私が、One thing that I like about myself is that I am honest. といったのですが、彼は、keep promise とか、never lie とか、ちょっと自分の意図と違うので、いつまでたってもno のままで、詰まってしまいました。そこで、言葉を変えて、One thing that I like about myself is that I am generous. でやってもらったら、今度も、おごるのがすき、いろいろなものをあげるのがすきとか、私の意図とずれてしまいまたもやNo 場仮になってしまいました。Pat はしきりに不思議がりながらも、次第にフラストがたまってきていることがよくわかったので、時間が終わってから、自分の意図は、honest については、例えば自分の気持ちに正直という意味、generous については、多少の無礼については寛容という意味、と説明しました。
まとめの質疑応答のときに、私は真っ先に発言して、Patがnoが続いて、はじめは面白かったけれど、次第にフラストレーションがたまり、yes, no だけではなく、説明したくてたまらなくなった、と話しました。

三番目は、Alex と Lucia による Affirmation Exercise でした。
これは、マニュアルでは、過去にほめられて本当にうれしかったときの状況と、言葉を皆でシェアして考えよう、という程度のシンプルなワークなのですが、これを彼ら二人は、非常にクリエイティブな方法を行い、私は度肝を抜かれてしまいました。大げさに言えば、テキサスで研究していたときには全くわからなかったアメリカの教育のすごさみたいなものを感じました。他のメンバーも感動はしていましたが、こんなもんだろ、という雰囲気も漂っていたので、やはり、教育文化の違いが如実に現れていたのだと思います。
彼らはまず、オレンジ色の色紙をハート形に切ったものを、参加者に配り始めました。カードには、手書きで my honest heart sees you and affirms you と書いてありました。そして、いきなり、舞台の上にいる私たちに背を向け、客席に向かって、寸劇を始めました。

A: あそこにいるのは誰だ? (客席のうち一つを指差して)
L: あれは、広場のホームレスだ。 
A: いや、それは、Affirmation じゃない。
A: あそこにいるのは誰だ?  (別の客席の一つを指差して)
L: あれは、どこぞの飲んだくれだ。
A: いや、それも、Affirmation じゃない。 
これをさらに何人かやって、
A: じゃあ いったい Affirmation てなんなんだ?
L: それを一緒にこれから考えてみようじゃないか。

というところで、白紙のカードをだすと、参加者に1人一枚ずつ配り始めました。
自分は、ここまでのところで、二人ともすばらしい役者で、テレもためらいも全くなく、役になりきっていて、しかも表情も雰囲気もすばらしかったので、完全に心を奪われてしまいました。そして、オブザーバー役立ったこともすっかり忘れて、カードをもらってしまいました。

さて、カードには、表にほめられて一番うれしかった言葉、裏にそのときの状況を書くように指示されました。それがすむと、カードは回収されシャッフルされました。次に、四人一組のグループ二つに分かれて、座るように指示されて、新たに誰のものかわからないカードをそれぞれ一枚ずつ受け取りました。そして、四人のうち1人が、その状況を読み、まわりの三人が、その状況でどんなAffirmationをするか、考えて話す。さいごにそのカードを持っている人が、カードを裏返して、そのときの実際の言葉を読む。という作業をしていきました。これは、なかなか面白くて、それぞれに印象深い状況が再現されましたが、私が印象に残っているのは、状況:仕事で苦労していたとき、Affirmation: どんな状況でも努力をつづけていくのは、成熟した人間だ、ということだ。というものです。
それが終了すると、まとめとして、Affirmationについて考えたのですが、そのときのやり方も、レクチャーするというのではなくて、
What is value of affirming in MI? Why do we affirm? How do you feel when you are affirmed? Find different way of Affirmation. などの質問を投げかけて、考えさせるというMIに添った形でなされました。
ただ、二つのグループの席が離れてしまっていたので、ちょっと説明するときに二人のファシリテーターはやりにくそうでした。

さて、わたしは、オブザーバーとしての意見を求められて、一番初めから心を奪われて、メンバーとして参加したくなったこと、まとめの段階でも、解説でなく、各グループに質問を投げかけて、答えを引き出すというMIの方法のモデルとなるやり方であったことがすばらしかった、とコメントしました。もう1人オブザーバーのPaul も非常にクリエイティブなすばらしいWSだったと話しました。

ところで、フィードバックの方法も構造化されていて、Elicit- Provide- Elicit- Provide- Elicit という5step 法で行われました。ポイントだけ示すと
Step1 What went well? What did you like about….?
Step2 I agree with…….,and you additionally did a great job with…..
Step3 As you think about how it went, what do you think you might do differently next time?
Step4 I agree with…….. I’d also like to suggest that you…..
Step5 What do thing about our feedback? What are you key learning’s?
となります。

ここでランチのはずだと思ったのですが、11時半くらいだったために、そのまま、つぎの番に突入しました。あとから、トレーナーのRalfも、気がついて、もともとの予定より早くて、ひとつ余計に午前中に済ませてしまったことがわかりました。Too quick?!


さて、次の番とは、私の番です。
手はずどおり、Paul がイントロの解説を始めました。それは、Back to the future という映画を知っていますか、というつかみから入るもので、とても魅力的なものになりました。なかなかやるなあ、と私も内心うれしく思いました。
次に、Paulが、チェンジトークを書いてみてください。と言ったところで、どんな、とか、いくつの?という質問が出て、Paulはいまいち要領を得ないこと、リアルプレイぽいことをいいだしたので、職場でよく聞かれるチェンジトークを5つくらいと、私からフォローしました。Paulはやっぱり斜めにしかマニュアルを読んでないなあ、と感じました。
さて、皆のチェンジトークステートメントの用意ができると、いすを並べ替え、ここでちょっともたもたもしましたが、ともかく、全員位置につくと、早速打ち合わせどおり、二人で、If I can quit smoking I can save money. ではじまるデモンストレーションをして、ここでPaulは、わからなかったら、他の参加者がアドバイスしてもいいし皆で考えようとコメントしました。マニュアルにはありませんでしたがそれはとてもいい方法だと思いました。そのあと、どこに移動するかという実演をし、演習が開始されました。

 いすの配置が半円形になっているため、全員、真ん中の二人のやり取りを観察することができ、じっさい詰まってしまう参加者もあり、他の参加者から助け舟が出たりして、とてもインテンシブな演習となりました。また、本来はopen questionを考える演習なのですが、reflect とか、他のスキルが出ることもあり、それもついでに練習しました。ふた周りしたところでランチの時間まで、ちょうど数分となっていました。そこで、feedbackは大急ぎとなりました。

参加者も自分たちもとても充実感があったので、非常に好意的なやりとりになりましたが、
What differently の質問では、Paul が、いすの並び替えがまごついたことを話し、私も他に思いつかなかったので、うーん・・何か違うこと・・・ 彼が言っちゃった Well…somewhat different…well…He said it. といったら、なぜか大笑いを誘ってしまいました。
Paulも私もこの結果に大満足で、お互いにガッツポーズを交換しました。

ランチでは、Paul と 加濃先生と食べました。Paul はソーシャルワークをする部門の心理士をしているのですが、香港ではケタミンの依存症が多いことや香港でのMI事情などを聞いたり日本の様子を説明したりしました。中国本土も含めて、MINTトレーナーになるのは彼が初めてのようです。彼は、海外文献を読むうちにMIを知り、ニュージーランドのJoel がオーストラリアでWSするのを知って、参加し、その後、カウンセリングの様子を録音したものを中国語から英語に訳して、Joel にフィードバックをもらうなど努力を重ねてきたようです。中国本土との交流はほとんどないようですが、近々北京のアディクション関係者から講演の話があって、と将来的には発展の芽生えがありそうです。


午後は

Dolors / Martha p117 observer Ivaylo / sue
による、Easy as 1,2,3 という演習をしました。

Martha はとても太った迫力のある中年女性の心理士で、反対にDolors は背の高いやせ気味の穏やかな女性です。あとでフィードバックのときに、Dolors が、私はどちらかというと、ネガティブに縮んでいってしまうので、Marthaの前へ出て行く感じとちょうどペアになれてよかった、というコメントをしていました。すると、Heather という、この人はとても背が高く威圧感のある心理士の人が、でもあなたたち、どちらからも同じようにエネルギーを感じられたわよ、とコメントして、いい雰囲気になりました。

さて、Easy as 1,2,3 というのは、change talk が出た後に、EAR( Elaboration, Affirmation, Reflect)という形で、レスポンスし、さらに動機を高めていくというステップ、すなわち、Change talk への応答の練習です。
 彼女たちは、チェンジトークの種類、DRANCAT と、EAR をビー紙に書いて用意していました。
そして、まず、各々が自分の個人的なテーマで、チェンジトークを5つノートに書く、という用意をし、それから、1つの大きな輪を作りました。そしてその真ん中の床に大きな耳の絵を書いたEARのビー紙をおきました。ちなみに、これは、Dolors の耳をMartha がかいたものだそうです。

 演習は、まず、1人が自分のチェンジトークを読み上げ、それを右隣の人が、EARのどれかで答える、それに対して、元の人が自然に受け答えする。それがすんだら、今度は右隣の人が、新しく自分のチェンジトークを読み上げる、そしてそれに対してさらに右隣の人がAERで答え、それに今新しくチェンジトークを話した人が自然に応答する、そして次のチェンジトーはさらにその右の人から、というように、グルーっと回っていく、というものです。演習自体はごくスムーズに進み、フィードバックも、耳の絵がよかったとか、床に耳が置いてあるのでわかりやすかった、といった内容が中心だったと思います。


最後は、
Ivaylo / sue p131 observer Michaela / Patrick
による、Three Chairs Exercise でした。
これはシンプルな演習で、ファシリテーター役が、横に並んで並べたいすの真ん中から初めて、自分の気持ちが動機付けられてきたら、右の椅子に移り、やる気がなくなってきたら左の椅子に移るというものです。ただ、Igor のやった演習と違うのは、Igorのときは、大勢の参加者から1人一回だけだったのが、今回は相手は四人で、それぞれが3-5回のやり取りをするということろです。Iva は禁煙を、Sueは運動を取り上げていました。印象に残っているのは、Sue がかなり緊張していたということで、忙しくてなかなか時間が取れないし、みたいなディフェンシブな言葉が連続していました。ジムに行くことを考えているのですが、それ以外の方法は?にも乗ってこず、なかなかうまくいかなくてやや、フラストレーションがグループ全体にたまってくる感じでした。次第に、クライアント役のほうも、アドバイス的な発言も多くなってきて、自分としても違和感を感じはじめていたのですが、Lucia が、こんなのどう?あんなのどう?と 半ばQuestion-Answer Trap に陥りながらも、かなりしつこくやり取りを繰り返し、状況を細かく把握するうちに最後は、「とにかくジムに行ってみてどんなことができるか聞いてみる」という発言を引き出して、一区切りとなりました。

それに対して、トレーナーのWalfは、Lucia はとてもよい仕事をして実際のところのSue の状況や気持ちを詳しく引き出して、それがこの結果につながったというコメントをしていました。確かに、型どおり、チェンジトークを促す質問や価値につなげようとするReflect も大切なのですが、CBTや、行動分析にも共通するように、実際に起きていることをクリアに再現することで突破口が開けてくることも多いと感じました。

それから、Wolfは、こう着状態が続きそうになったら、さっさと切り上げて、別のテーマに変えてやってもらう、といっていました。実際リアルプレイの場合、変化のどのステージにいるかによっても実際にどこまでできるかは変わってくるので、永遠に苦しいやり取りをするのは、トレーニーを苦しめるだけでナンセンスとのことでした。この割り切りも大切と思いました。


さて、私のグループは非常に順調に演習が進み、この時点で、時間が一時間半も余っていました。そこで、30分の長めの休憩をしてから、トレナーのWolfに、皆の興味のあることを話してもらうことになりました。休憩時間の間は、私は、会場のCity Hall の中を探検しました。コンサートホールの二階の客席に上がってみたり、他のグループの様子もチラッと見ることもできました。どのグループも真剣そのものという感じでした。

Wolfは様々な対象にMIトレーニングをする歳のポイントからディスカッションを始めました。WolfはMIトレーナーらしからぬ?きわめて具体的なアドバイスをする人で(一応、私はこうしている。という言い方ではあるのですが)、参考になるアイデアをたくさん聞くことができました。

 まず、医者が相手の場合、まず、デモンストレーションをして、何ができるかをはじめに見せることが重要。MIを習得すれば、これができる。とまずは見てもらう。そしたら、10~20くらいのkilling words をしっかりレクチャして、かれらは、丸一日でも、paper and pencil の授業を熱心に受けるから、MITY の簡単なコードあたりまで教えてしまって、それから、1つだけ課題を出すとよい。ドクターはロールプレイを嫌うし、やってくれない、すすめても、「イヤイヤそれは結構」という態度なので、授業がよい。特にエビデンスが重要。エビデンスがないと、はなから相手にしてもらえない。その点、MIはエビデンスはポジティブだし。

 ところで、デモンストレーション用のビデオを作る場合があるけれど、患者に協力を求めるのはうまくいかない。アクターにお願いするのがよい。彼らは完璧にこなしてくれる。ただ、マニュスクリプトを用意するのはうまくいかないから気をつけるように。

 さて、それで、最初のWSがすんだら、1つだけ課題を出して、それは、Reflection だったりするんだけど、Try this till next time. 6~8週間したら、また行って、今度は、実際の患者さんについてMIをトライして体験したこと話してもらう。そして、改善点を指摘し、また次の機会までの課題を1つだけ出す。この繰り返しで、自分はやっている。事実として、2日間のワークショップでは、MIはできるようにならないし、モニターを毎週やりにいくというのは、お金がかかるし、そういうことをするところはほとんどない。ちなみに、MIがどのくらいできるようになったかのアセスメントの方法としては、三つのタイプのアセスをお願いしている。セルフアセスメント、同僚のアセスメント(一緒にMIのトレーニングをうけている同僚の)、トレーナーのアセスメント(テープを録音してもらってアセスメントする)

 それに対して、ソーシャルワーカーは、トレーナーの講義が嫌い。すぐに講義に飽きてしまうし、自分たちでやりたがる。ロールプレイが大好き。なので、医者とソーシャルワーカーでは全く別のアプローチが必要。
 ちなみに、ソーシャルワーカーは、(医者と違って)クライアントと友達になりたがる。どんな仕事してるのとか、何がすきなのとか、いろいろ話して、人間関係を作り、長い時間をかけて信頼を勝ち得ようとする。でも、私(Wolfのことです)に言わせれば、ハーという感じです。もっと短い時間で関係を作ることができる。

 Wolf 式 How to build relationship in 10 mins.
いきなり、深い部分に突っ込むというやり方。たぶんこれは、MIとは関係ないけど・・・。
アルコール依存症編 こんなふうに言っています。「私の臨床上の経験では、少なからず、アルコール依存の人は性的な障害を抱えているけれども」といきなりなかなか聞いてもらえない質問をする。そうすると、その問題に悩んでいた場合は、ついに聞いてもらえた、ととてもほっとして(great relief)人間関係が一気にできる。Agenda setting chart (sensitive topic を含む)を使うこともできる。
teenage 編 何を尋ねても、はい、いいえ、別に、微妙、くらいしか答えない子どもを相手に、こういうふうに言っています I’ll tell you all I know about you (from your parent etc).
つまりこう言うことで、手の内を全く見せてしまい、これで知ってること全部だよ、と正直に告白する。そうすると、子どもたちは、安心するし、いや他にはこんなこともあるんだよ、と話し始める。透明性の問題。
 それから、これもよく言う。I’ll never understand you but I can tell you my client said. あんたにオレのことがわかんのかよ、といわれたときに、いや、わかるよ、とは絶対言わない。
 というようなところが印象に残ったポイントです。


さて、そのあと、その日の最終セッションとして、Bグループ全体で集まって、今度は、Affirming をテーマにディスカッションしました。その前の休憩時間に、禁煙がしたいIvoに、アレン・カーの本を知っているか尋ねてみました。はじめはわからないようでしたが、説明しいてるうちにブルガリアの訳本があり、読んだことがわかりました。でもよく覚えていないようでした。かれは、イギリスでは吸う所がすくないので、本数が少なくても平気、という話をするので、それは、体の依存は少ないということだよね、と説明し、心の依存が大切であること、それが解決できれば、簡単にやめられるかもしれないこと、実際やめても平気そうな人がいるよね、ということ、まで話しました。この段階でIvoはかなり興味を感じたようでした。ただ、つづけて、例えばアルコールについて、酒を飲むと眠りやすい、という誤解が、依存症からの回復を妨げうる、という話をして、というあたりで、休憩時間が終わってしまい、また、この酒の話はいまいちうまく伝わらなかった感じもして、そのままになってしまいました。
Ivo とは別の休憩時間にも、話をしていて、ブルガリアの気候を聞いたつもりが、彼が、犯罪のことと勘違いして話し始め、面白い話だったので、どんどん聞いていくと、彼自身も犯罪ではないけれど、五年位前に、スペインで車の解体業の仕事をしていて、バッカでしょう~、みたいに行っていましたが、それにこりて、国に戻り、病院でアルバイトをするうちに、この仕事をするようになった、と、今は、独立して、人を雇って、ソーシャルワークの仕事をしているとのことでした。


Affirming についてのディスカッション
まず、Igor が、自分の同僚が、殺人と障害を繰り返していた青年を担当していたときに、たまたま、仕事の時間外で、ジムで、大きな音がしたので、見に行ったら、その青年が、ジムのロッカーを殴りつけたところだった。そこで、彼は、”Thanks so much you don’t kill people” 偉いじゃないか、今回は人の代わりにロッカーを殴ったんだね、 とアファームしたところ、青年は泣き崩れた、という逸話を紹介した。そこで、参加者から、感動!みたいな反応がいくつか出たところで、Wolf が、「いや待ってくれ、それは問題あるだろう」、と発言。ええ~!? という会場の反応も予期していたかのように「アファーミングは、よいことをしたときに限られる」と説明。つまり、reinforcement 強化 の観点からすると、ロッカーを殴る行動を強化することになってしまう。これは、遅刻してきた人に、よく来てくれたね、といえば、遅刻が強化されるようなものだろ、と。そのあと、かんかんがくがくの議論となり、自分はほとんどフォローできなくなり、その中に、「いや、人の代わりによくぞロッカーを殴ったんだね、というのは、その人の単なる意見だよね、そもそもMIでは、open question を使うんだろう、だから open question じゃなきゃ」というわけのわからない?意見も出、それに対して、ロッカーを殴りつけた興奮した状態で、open question なんて使えるか考えてみろよ、という反応がある一方で、「いや面白い、例を挙げてもらったらいいんじゃないか、聞いてみたい」と、本当に収拾がつかなくなってきて、たまらず、Joel が、まあまあ、meta issue という観点から見ると、ちょうど今のように、議論がごちゃごちゃになることはあるけれど、最も大切なことは、そのとき(その言葉に対して)彼がどう反応したかだ、と結論は出さずにまとめに入る、ということも起こりました。そして、このまとめのあとで、第二日は終了となりました。

このあと、加濃先生と変える間際、Joji Sato というボストンの日系の精神科医が声をかけてきました。彼は、もう日本語をしゃべることはできなくなっていましたが、自分の親?がいた神奈川県の戸塚のこととか、知っているかと聞いてきました。それで、日本でのMIの様子やらいろいろ世間話をしました。

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【2】動機付け面接のトレナー研修@シェフィールド

TNT 2011 Sheffield

参加者は大きく三つのグループに分かれ、(二つは英語、一つはフランス語)私と加濃先生はBグループとなりました。Bグループは46人、米国23,英国9,スウェーデン5、あとは各国1~2人、Psychologist が三分の二といった構成とのことでした。

トレーナーは
Ralf Demmel (Germany) 心理士 (実際にはWalf と聞こえる)
Joel Porter (New Zealand) 心理士
Igor Koutsenok (USA) 精神科医


場所はシティホールというコンサートホールのある古い建物で、その地下に舞踏会場があり、そこは、常に、飲み物が用意されていて、ランチもそこにカフェテリア式に運ばれるようになっていました。その南北に小ぶりなホールがあり、そこがBグループの全体会場でした。天井は高く、壁も飾りの施された木でできていて、床がぎしぎしなるような雰囲気のあるところです。声はよく響くのですが、マイクは無く、声を聞き取るのに苦労しました。肉声のほうがずっとよいのでマイクはあえて使っていないとRalf はあとでいっていました。二日目は、Bグループがさらに四つに分かれて、それぞれ別の場所に移動し、私はB5で、なんと、コンサートホールの舞台に12人の仲間と移動しました。

Day 1 Sep. 5
Session 1
Welcome, Introductions, Guidelines & Meta-issues

一番初めに、グループ別に分かれてそれぞれ大きな丸テーブルに座り、二人のペアを作り、お互いに自己紹介をして、さらに相手のことをグループ全体に紹介する、というワークをしました。
私は、Martha というとても太った女性の心理士とペアになりました。八年結婚していて子どもは無くて、猫が三匹に犬が二匹、というような内容でした。私は丸テーブルの前のほう(ステージ側)に座っていたので、皆が前、つまり私のほうを見るので、自分のところから相手のペアの紹介をしました。ここで、香港から来た人や、ブルガリア(彼はブルガリア人にはaffirming が特に有効ですよと話しました)、オランダから来た人があること、アメリカ人の心理士の女性がたくさんいることがわかりました。

 次に、グループに名前をつけるという課題が与えられました。Sheffield Survivor とかいろいろ案が出ましたが、Survivor はネガティブだとHeather という背の高い女性心理士が怖そうな声で言うので、MIだから、花、ブーケだろう、という意見が出て、Bloomers
はどうか、となりましたが、下着のようだ、と問題になり、さらにひねって、Curious Bloomers ということになりまた。

まずMeta issues ということで、TNT全体を通じて、トレーニングのプロセスそのものを第三者の視点から眺める能力が、トレーナーにとっては特に重要であるというレクチャーがJoel からありました。
それから Exercise: Learning Need Assessment
のシートに記入し、ディスカッションしました。

1. Reflect on your own MI training. What was helpful / less helpful? Was anything missing? How did you develop your own understanding and skillfulness?
2. Consider your own trainers. What were their strength? What could they have done better? What are your strengths and what would you like to do better?
3. What do you most want from TNT?

特に、3. What do you most want from TNT? については、全体でディスカッションして、ポイントを前にある大きな紙にまとめ(commitment, involvement, transparency などなどが出ていました)、それを teaching contract という契約とみなして、休み時間に参加者全員でサインをしました。
15分間休憩

Session 2
What do you know about MI?

まずプリントを使って、次の質問を考え記入しました。
1. One way of describing MI is...
2. One thing I should always try to do (when practicing MI) is…

そのあとで、
トレーナーの三人が、それぞれMIについて考えていることを話しました。Ralf は精神分析から入り、CBTに物足りなさを感じて、(人とのかかわりが表面的に思えたそうです)MIをするようになったと話しました。そして、ソーシャルワーカーや心理士にトレーニングするときと、医師にトレーニングするときの違いなどについても語りました。これについては、二日目にも詳しく出てきたのでそこで書きます。

 Joel はMIは人間関係だと、ごく当たり前の人と人との関係、つまり、クライアントをそういう1人の人として扱うということだ、というようなことを強調していたと思います。あとは、彼のシンガポールやオーストラリアなどでの国際的なトレーナーとしての経験から、カルチャーの違いについても話しました。ラテン系の人は、ロールプレイもすぐ乗ってくるけど、アジアではまた違う、とか、アジアで広がっていないのは、MIをツールとしてみて、現在の診療のどこに使えるか、使えないか、といった観点から見るので使えない、と判断されてしまいがちだからではないか、とかです。ただ、本編の説明の間に大量の冗談や雑談が入り込む饒舌な英語でなかなかついていくのが困難でした。

 Igor の英語はそこそこわかったと思うのですが、ここでは何を話したかあまり印象がありません。ノートのメモを見ると、 MIスピリットのACEについて、humanities とか、defense: who wouldn’t be defensive とか、Autonomy やCompassion について、Let a lot of things go but register. といったことが書いてあります。

次に、MIをする上で、困っていること、悩んでいることについて、グループの参加者で順に発言し、それぞれについてコーチしあうこと、という課題が出されました。ここでも、皆が前のほうに座っている私のほう見るので、まず私から話しました。議論が盛り上がってくると、なかなか私の語学力では途中からは発言しにくいので、はじめに自分から話すのもよい方法と思いました。
私は、Directing style と Guiding style のバランス、もしくは、緊急を要するときなどはよくわかるとしても、Guiding style から Directing style にスイッチするときのタイミングに悩んでいる、と話しました。そうしたら、いろいろ意見が出ましたが、やり取りの中で、それが、Medical Doctor 故の困難さでもある、と気づくことができました。そのあと順に、無理やりつれてこられた参加者にMIの研修をすることの困難とか、自分の英語の限界でよく理解できない抽象的な悩みとか、いろいろ出てきました。私のグループでは、Lucia というとても優しい感じの中年の女性心理士が途中で一つ一つにあまり深く入り込まず、まずはグループ全体で悩みを出そうよ、と提案し、それぞれの話について、簡単にお互いにコメントする程度で、10人くらいまで進みました。

 ところが、その後、Bグループ全体46人で、振り返りをする段になって、トレーナーと参加者で、大激論になってしまいました。トレーナーとしては、Lucia のいったように、グループ全体で悩みを出し合ってそれを互いにコーチングしていこう、というつもりだったのに、多くのグループで個々の問題に時間を費やし、グループによっては二人しか悩みを話せていなかったと判明したからです。参加者はストレートに、トレーナーの説明が不十分だったことや、そもそも、悩みを話すことの困難さをどう考えているのかとか、それを扱うためには、時間が全く足りないとか、遠慮の無い意見が続出し、紛糾状態となりました。日本人的にはかなり厳しいやり取りに見えたはずです。

そのあとランチになりました。一時間、野菜とシチューとピラフを食べました。ランチのときに、Dana という女性が、「なぜ、MIに興味を持ったのか、日本でもMIは有効なのか」、という質問をしてきました。DanaはTNTに期待することをビー紙に書きまとめる作業をしてくれたので、そのことを私からお礼を言っていて、気安く感じてくれたのかもしれません。タイの仏教徒や少林寺拳法の人のように合掌して挨拶する人でした。正直面食らいましたが、もちろんです、MIの本を読んでいると、事例などで共感することも多い、と話しました。たぶんカルチャーについての違いは、affirming についてが一番違うのでは?とも説明しました。日本人はお互いにあまりほめあわないので、あまりオーバーに「スゴーイ!」とやってしまうと、かえって引いてしまうし、なにか別のmanipulate しようとするような意図を疑われてしまうのではと話しました ( What do you want from me? ということだな、とDanaは納得しました)。特に男の場合は。なので、具体的に褒めることが大切ということです。Dana は「アメリカ人の私があんまりオーバーに喜んでも、あなたたちには変な感じよね」といいつつ、結構、ワオーという感じで説明に喜んでくれました。私にとっては、いくらカルチャーが違うとはいえ、日本人にもMIは有効なのか、という質問が大真面目に出てくること自体に驚きました。もちろん、大半の人はそうは考えないのだと思いますが、(何かと文化の違いが強調されているアメリカでは)そういうふうに考える人もあるということかもしれません。


Session 3
Some useful and flexible exercises explained
Have a go!

ここでは、三人のトレーナーから一つずつエクササイズの説明があり、実際にWSを行いました。はじめは、Joel で、三人組で、スピーカー、リスナー、オブザーバーで、リアルプレイをしました。オブザーバーは OARS-Observer Tracking Worksheet を使って、記録し、フィードバックします。
Alex というアメリカ青年がスピーカー、私がリスナー、Dolors という年配のイギリス女性がオブザーバーをすることになりました。彼のアンビバレンスなことは、弁当を家から持って生きたいが、なかなかできない、はじめても続かない、ということでした。

型どおり、聞き返しをしながら、詳しく聞いていき、理由を尋ねたりして、健康とお金の節約の事が出てきて、健康が大切なんですね、と価値に触れて、さらにチェンジトークが出てきて、そろそろ時間です、という合図があったので、サマリーをしてまとめる、というやり取りをしました。フィードバックでは、reflect のたびにとてもやる気が出てきたと話してくれました。オブザーバーの Dolorsは、はじめは、reflect の語尾が、上がっているのか、下がっているのか、微妙で迷うところもあったけれど、じきに下がるようになり、重要性の問題も出て、サマリーもとてもしっかりできていて、その次に、自信の問題に進んでいけばいいと見通しも立つ、とてもいい感じだった、とフィードバックしてくれました。はじめのうちのreflect の語尾が上がり気味だったのは、英語で相手の意味をとるのにはじめは確信が持てない部分もあって余計にそうだったと思います。短い時間だったけれど心の交流ができた感じでした。

次は、Ralf が、WS をやりました。
パワポでリスナーと、スピーカーでそれぞれ指示を出し、お互いに逆への指示は見ないようにして、ということではじめたのですが、私はスピーカーだったのですが、十分読み終わらないうちに、スライドが変わってしまい、WSが始まる直前に、再度Ralfに確認に行きました。さて、リスナーをAlexがしたのですが、私はスピーカーとして、子どもの教育をするのに、ちっとも勉強しないので、厳しく言いたいけれど、でも、それってMI的にはまずいし、でもなかなか勉強してくれないし、という悩みを話しました。すると、Alexは、ちゃんとはっきり勉強するように話すべきだよ、勉強をしなかった場合の結果とか、こうしろああしろと指示しなくてはだめだ、といってくるので、これは、negative practice だな、とわかりました。とはいえ、やはり説得モードで押されるといやな気分になるものです。フィードバックをしたあと、Alexと雑談し、名古屋と京都に来たことがあること、そのとき相撲を見たことなどを聞きました。ただ相槌を打つときに、sumo wrestling の発音がうまくできなくてまごつきました。

最後はIgorでした。彼は、五つのいすを前にくっつけて並べると、真ん中をニュートラル、両端を、Motivated と defensive として、はじめは真ん中に座り、会場全体から、いろいろと発言を受けて、それにレスポンスしながら、そのときそのときの気持ちをリアルタイムで座る位置を移動しながら表していく、という演習をしました。内容はリアルプレイで減量をする、というものでした。
始まってみると、参加者は非常に積極的で、次から次へと、私が私がと、手が挙がり、とても盛り上がりました。スケーリングクエスチョンをする人や、非常に長いサマリーをする人(あんまり長くサマリーが続いた人があって、その人のときは、Igor は I lost you といって、発言を中断させました)などなど、日本とはかなり雰囲気が違います。ただ、非常に早口だったり、声が小さかったりで、何が言いたいのか分からなかった発言がたくさんあったことが心残りでありました。

 Igor の演習のまとめ(ラッピング)はすばらしいものでした。GPSのたとえを使い、
この演習は、teach students moving left is not failure. (左が defensive)であって、moving right or left is due to GPS であり、同じことを言っても、people take different reaction
だと、つまり、君たちは、車を運転するときに、GPSが右だ左だと指示したとして、いちいち嬉しくなったり、悲しくなったりするかい、そんなことないでしょ。それと一緒で、いろいろ話をする中で、だんだん見えてこればいいんだよ、というまとめ方でした。すごく納得しました。Try one. Fail one. Try again. Fail better.


Session 4
MI & Golden Rule of Training

ここでは、スライドを使って説明がありました。かなり疲れてきていて気に入った言葉しかノートしてありませんが、
Teach one. Demonstrate one. Coach one. とか、 Always expect the unexpected. とか、
Transparency reduces resistance of trainee. とかがありました。

あと、言葉としては、Competency is not skill. Unconsciously competent. If attitude is right competent will. みたいな、やる気、熱意しだい、というようなことも強調されていました。また、研修参加者の emotional safe 感情的な安全性を保障し確保することが大切とも強調されました。


Session 5
Planning Meetings
Preparations for Day 2, Sessions 6, 7 & 8.

Day2 に行うExercise の割り当てが発表されました。
私のグループB5は、以下のとおりでした。

Michaela / Patrick p67 observer Heather / Linda
Heather / Linda p76 observer Alex / Lucia
Alex / Lucia p89 observer Paul / Takeshi
Paul / Takeshi p103 observer Dolors / Martha
Dolors / Martha p117 observer Ivaylo / sue
Ivaylo / sue p131 observer Michaela / Patrick

そこで、Paul とマニュアルを確認して簡単に打ち合わせをしDay2の9時からリハーサルをすることにしました。まあ、マニュアルにやり方は書いてあるわけだし、お互い読めばできるよ、という感じでした。

第1日は、くたくたでした。特に、英語の聞き取りに苦労して。Igor はヒスパニック?のなまりがあるものの比較的聞き取りやすかったのですが、Ralf はゆっくり話してくれるのですが、意味が取れないことがしばしばあり、Joel にいたっては、ものすごく早口な上に、主な文脈にかぶさるように大量の冗談と回り道が入り込んで、全くついていけないことも起こりました。

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【1】動機付け面接のトレナー研修@シェフィールド

皆様へ、磯村です。
Sheffield より帰ってきました。
とても楽しかったです!それも非常に!
すごく疲れましたが、心地のよい疲れです(^^)

この研修は、MINT (Motivational Intervewing Trainers Network)が主催しているTNT(Training for theNew Trainers)というもので、研修を終了するとMINTトレナーと呼ばれる、メンバーになることができます。
今回、日本にいらっしゃる3人のMINTトレナーのうち、原井宏明先生と小畔美弥子先生の推薦で、
横浜の新中川病院の加濃正人先生と、一緒にTNTに参加することができ、無事2人ともMITIメンバーとなることができました。


研修での最大の収穫は、いろいろなタイプのトレーナーたちの実践を体験し、また、自分もその輪の中に入って交流できたことです。そして、最後の新しいワークショップの方法を考える演習では、僕たちのチームが一番になるというおまけまでつきました。
ミラー先生や、ロルニック先生のミニレクチャーもあり、彼らの雰囲気や、最新の状況も(実に挑戦的で魅力的なコンセプトがいろいろ提示されています)知ることができました。

それにしても、結果的には、去年のTNTに参加できず、実質2年間にわたって準備してきたことがよかったとしみじみ感じています。準備といっても英会話のことですが。私は、テキサスで働いていた時期がありますが、それは遺伝子の研究者としてなので、ラボで最低限必要なプレゼン能力しかありませんでした。つまり、グラフを示して、goes upかgoes down かが言えれば、究極的にはOKな世界です。

しかし今回は、英語でMIのカウンセリングをしたり、WSをする話なので(カウンセリングのコーチをしたり、OARSやchange talkのカウントをTracking Worksheetにまとめ計算したりするわけです)、特に話す力をつけるために丸2年ひたすら精進してきました。特に最後の半年くらいは「動機付け面接法実践入門」の訳本を英語にして、原書と照らし合わせるという練習を繰り返していました。おかげで、まだまだ不十分ですが、自分なりに納得できる最低限のことはできたかなと感じています。

 お分かりのようにMIはアンビバレンスに典型的なように、微妙な心のやり取りを伴う、体験です。そしてTNTでは、本当に日本では体験できないような多様なトレーナー、いや、個人としても様々なバックグラウンドの人たちと交流できます。本では獲得できない経験値を一気に増すことができます。TNT、お勧めです。また行きたいくらいです。ただそれも、英語力によって大きく左右されてしまうので、そこはできる限り本気でがんばってねと思います。

以下に順に具体的な話を紹介します。【2,3,4】
ただし、自分自身の備忘録としてひたすら書いた文章なので、
具体的な様子に本当に興味のある人のみに読んでいただければよいと思います。

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